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建物の形状で外皮性能は変わるのか? 結果に影響を与える2つの要素
建物の形状で外皮性能は変わるのか? 結果に影響を与える2つの要素

建物形状で外皮性能は変わるのか?

平成25年規準以降の外皮性能計算でQ値に変わりUA値が採用されたのは、Q値よりもUA値のほうが住宅の形状変化に対し性能値の変化が少ないからと省エネ規準の説明会などでは、説明されています。
では実際どのような変化が起こるのでしょうか?
変化の要因となる2つの要素を検証してみたいと思います。

① 形状による変化

外皮面積の変化

外皮平均熱還流率は、熱損失量の和を外皮面積の和で割り返します。熱損失量が少ないほうが答えは少ない値がでますので断熱性能が同じであれば、性能の高い部位の比率が高い物件のほうが良い結果が出る事がわかります。
上の図は、床面積が同じ場合に形状を変化させた場合に、外皮面積及びUA値がどの様に変化したかを表した図です。
外皮性能は次世代省エネ規準の規定程度にしており、開口部は各形状とも同じ条件で検討しています。一般的な省エネ規準並みの仕様では天井・床より壁の断熱性能が低いので、形状変化により壁の面積比率が高くなればUA値は悪い方向に変化します。

物件形状により面積比率は様々に変化しますので自社物件の傾向を試算しておくと良いと思います。ここでは例としてとある分譲住宅の物件で32坪前後の2階建ての建物のデータを紹介します。

外壁面積の変化

259物件分の面積の計算値から述べ床面積を横軸に壁面積/床面積の割合を縦軸にプロットしています。東京地区の建売住宅なので角の多い物件が多数をしめていますが、同じ床面積でも最大で3.96倍 最小で3.11倍 平均では2.72倍となっています。分譲なので変わった物件はあまり無いのですが、それでも大きな違いがあります。
これが開口部を除いた外皮性能変化のぶれ幅になりますので、自社物件のぶれ幅を理解しておくと安心だと思います。
部位のU値を変化させることで答えも変わってきますが次世代規準の仕様をベースにした2020年省エネ規準並みのレベルではこのような変化が起こります。

② 開口部比率

次に開口部を検討していきます。説明するまでも無い話ですが、熱的に一番弱い開口部の面積の大小が何よりも性能変化に影響を与えます。
最近、普及しはじめた樹脂サッシ+Low-eペア硝子でも、部位のU値はカタログ値で2.33W/㎡・K程度です。天井・壁・床に比べて熱損失が非常に大きい部位ですので実は建物形状よりも開口部の面積比率の検討が大きな要因となります。

開口部比率の例

上の表は省エネ規準並みの外皮性能で開口部の面積比率を変化させていったときにどの様な変化を起こすかを示したものです。熱損失が多い部位が少し増えるだけでUA値に大きな変化をもたらすことが判ります。

上記の結果から建物の形状と開口部の面積比率はUA値に影響を及ぼすことが判りました。ここで注意しなければいけないのは、省エネ住宅だからただ開口部を小さくすればいいといっているわけではないことです。
外皮性能から考える開口部の設計手順は、引き算です。まず目標UA値を決め、目標UA値に面積を掛けて全体の熱損失量を算出します。それから屋根(天井)・壁・床・土間床の断熱仕様を決めて、窓以外の熱損失量を算出します。
目標UA値に対する熱損失量 - 窓以外の熱損失量 = 窓に使える熱損失量になります。これを欲しい窓の面積で割った値が必要な窓の性能値になりますので、性能を上げたり、窓の面積を調整したりしてスペックを決めていくことが大事です。
また前提として考えておかなければいけないのは、窓以外の断熱性能の必要なスペックが確保できているかどうかです。窓だけ良い物を使っても快適な家にはなりませんのでそこも注意が必要です。